お香といえば、仏壇に供えるお線香を連想する人も多いでしょう。何か古くさいものをイメージする人もいるかもしれません。

しかし、お香の材料にするのは線香と同じような、伽羅(きゃら)とか沈香(じんこう)とか白檀(びゃくだん)といった香木だけではありません。

現在ではハーブの香りのするお香だってあるのです。

ここではハーブのお香について、作り方や楽しみ方や注意点について、説明をします。

自分で出来るハーブのお香の作り方とは!?

お香 ハーブ 作り方

ハーブのお香を作る方法で一番簡単なのは、ごく少量の水をタブ粉という木の粉と練り合わせて粘土状にしたものに、好みのハーブのエッセンシャルオイルやスパイスなどを加えてさらに練り合わせ、コーン型にまとめる方法です。

まとめるときは、厚紙などで型を作ってその中に詰めるようにして下さい。

うまくコーン型にまとまったら型からはずして十分に乾燥させます。

粘土状といっても水を多く加えてすぎて、生地をドロドロにしてしまったり、型に詰めるとき、あまりぎゅうぎゅうに詰めたりしないで下さい。

目安としては、タブ粉10グラムに水10ミリリットルくらいです。

ここでいう「タブ粉」とは、タブノキというクスノキ科の木の樹皮を粉末にしたものです。

タブ粉は無香で粘着力のあるため、昔から線香などのつなぎに用いられてきました。

市販のスパイス(ペパーミントやローズマリーなど)を使う場合は、材料を乳鉢で十分に砕いて使って下さい。

量が多い時は、フードプロセッサーを使っても問題ありません。

手元にあるハーブを乾燥させて粉末にしただけでは、ハーブの香りではなく、お灸のような香りがするお香ができてしまうようです。

エッセンシャルオイルを上手に使って、いろいろと試してみて下さい。

つなぎにタブ粉と水を練り合わせたものではなく、ハチミツを使う方法もあります。

市販のお香キットもあるので、好みのものを選んで試してみるのもよいでしょう。

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ハーブのお香の使い方は!?

本格的な昔からの「香道」に親しもうという際には、ハーブのお香はあまり適していません。

しかし現在のお香は、アロマテラピーと同じ感覚で使われることも多いです。

つまり、ただ良い匂いを部屋に満たしたい時や、心身のバランスの調整が必要になるとき、あるいはただ気分転換が必要なときなどに、お香が役に立つのです。

そして、お線香のような香りではなくて、もう少し華やかな香りが欲しい場合には、是非ともハーブのお香を使ってみて下さい。

同じように香りを楽しみたい場合でも、アロマテラピー(特に芳香浴)を試すべきか、ハーブのお香を試したらよいか、悩むこともあるかもしれません。

その場合にはまずその場のシチュエーションを考え、次にアロマを楽しみたい気分か、お香を楽しみたい気分かを考えて選択をするようにしましょう。

一般的に考えると、香りに浸って優雅な気持ちになりたいときはアロマ、瞑想などの補助に使うにはお香を用いるのが適当です。

お香を焚いている間、その先端はうっすらと赤く光っています。

香りとほのかな光は気持ちを集中させる助けになります。

またお香は、瞑想で半眼の状態であっても使える時計の役割を果たします。

お香は燃えて少しずつ小さく短くなっていきますが、その速度がほぼ一定だからです。

またお香には邪気を払う効果があるので、玄関やトイレ、洗面所といった空間で焚くと、空気の浄化に役立ちます。

書斎(勉強部屋)や寝室で、気分のリフレッシュの助けにお香を焚くことも考えられます。

ハーブのお香には、3つのタイプがあります。

ひとつは、作り方のところで説明したコーン型(円錐型)、もうひとつは線香と同じような形のスティック型、3つ目は蚊取り線香でおなじみの渦巻き型です。

どのタイプでも、火をつけて香りを楽しみます。

そのためお香の他に「火を付ける道具」と「お香立て」が必要になります。

コーン型は、一番手軽に楽しめるタイプかもしれません。

専用のお香立てを使わなくてもよいからです。

耐熱性でお香が崩れて倒れても大丈夫なくらいの大きさの容器があれば、お香立ての代用ができます。

だれも使わくなった灰皿などがあれば、ちょうど良いでしょう。

100均で適当な道具をさがすのも、よいかもしれません。

コーン型のお香は、円錐形なので、下に行くほど発散される香りが強くなります。

ただし燃焼時間は、5分から10分程度と短いです。

スティックタイプのお香は、燃える面積が一定なので最初から最後まで一定の割合で燃え続けます。

そのため香りは最初から最後まで、均等な強さを保ちます。

燃焼時間は30分から1時間程度です。

線香はもちろん、竹などの芯材のまわりに香料が付いている、インド系の長いお香も、このスティックタイプに含まれています。

渦巻き型のお香は、長く燃え続けるので、長時間香りを楽しめます。

蚊取り線香を連想すれば良いでしょう。

もし燃焼を途中で止めたい場合には、止めたい箇所を金属製のクリップを挟めば良いだけです。

もちろん香りはさまざまで、ハーブをお香にしたもので渦巻き型のものも市販されています。

どのようなタイプを使う場合でも、お香は火を使うものだから、十分注意して下さい。

周囲に燃えやすいものがない、安定して置ける場所でお香を楽しむようにしましょう。

ソファやベッド、カーペットの上でお香を燃やすのは危険です。

換気も絶対に忘れてはいけません。

また頻繁に長時間お香をたくと、鼻の感覚が除々に麻痺してしまうので、気をつけて使うようにしましょう。

お香は一度に何本も使う必要はありません。

一回に一本で十分です。

「何か匂いが弱くなった」と感じても、それは気のせいでもお香のせいでもありません。

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ハーブのお香には虫よけの効果はある!?

お香 ハーブ 虫よけ

ハーブは鉢を置いておくだけで、虫よけの効果がある種類があります。

ニオイゼラニウムとシトロネラを交配して作った、「蚊連草(蚊嫌草)」はよく知られていますね。

ニオイゼラニウムとシトロネラの他にもバジル・レモングラス・ラベンダー・ミント・レモンバームなどが、虫よけの効果が高いハーブとして有名です。

そして、これらハーブの精油成分を含んだハーブのお香にも、当然虫を寄せ付けない効果があります。

虫よけのお香はいろいろと市販されているので、自分で作ってみるだけでなく、購入して試してみるのもよいかもしれません。

まとめ

ハーブのお香の作り方、楽しみ方と注意点、そして虫よけの効果について説明しました。

手作りのお香を思った通りうまく香らせるには、いろいろな試行錯誤が必要です。

その手間が面倒くさいと感じる人は、市販されているハーブのお香や、市販の手作りキットを利用するのも良いでしょう。

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