本堂の入り口近くにお線香を立てる場所があるのを見た事はありますが?
宗派によっては設置していないお寺もありますが、設置されている場合はお参りの前に煙を浴びるのがマナーとなっています。
他の人の見よう見まねで浴びるものの、どのような意味があるのか分からないという方も多いと思います。
今回はお寺でお香を浴びる意味についてご紹介します。
目次
お寺でお香の煙を頭にかける意味とは!?
お寺にはお線香の入った大きな壺があり、参拝の際にその煙を頭からかけるという作法があります。
壺は「常香炉」と呼ばれるもので、仏様に供えられたお香です。
宗派によって異なりますが、「煩悩を払う」「穢れを払って綺麗な状態で仏様と向かい合う」というような意味があります。
お寺で使用されるお香(お線香)には鎮静効果があり、心に落ち着きを与えてくれます。
心が落ち着く=煩悩を払うという意味合いがあるのではないかと思います。
臭い消しの意味もある
仏教では体に香木の粉末を塗り、煩悩を消していました。
塗香と呼ばれるこの行為には体臭を消すという意味合いもあったそうです。
座禅など精神の集中が重要となる修行が多い仏教。
体臭による集中力の散漫を防ぐために体の臭いを消す事はマナーだとされていました。
これは参拝する人も同じで、お寺に入る前にお香の煙を浴びて臭いを消し、参拝に集中するという意味が含まれています。
煙を頭にかけることで有名な寺院
東京の浅草にある「浅草寺」では大きな常香炉があり、参拝客は頭や体に煙を浴びています。
お線香は参拝客がお供えする事もできます。
浅草寺の常香炉で煙を浴びると頭が良くなる、頭以外にも体の悪い場所に煙を浴びると快方に向かうなど身を清めるという意味以外の効果も持っています。
お寺の参拝方法
いきなりお香の煙を浴びに行くのはマナー違反です。
しっかりと手順を守って参拝しましょう。
まずお寺の入り口である山門で一礼てくぐります。
神社と違い中央を避けて通る必要は無く、どこを通っても良いとされています。
穢れを払うために手水舎で左手、右手、口の順に清めます。
次に常香炉の煙で体を清めます。
煙を浴びるのはメインではなく、「お参りをする前の穢れを払う儀式」です。
悪い所を治す目的で煙を浴びに来たのだとしてもしっかりとお礼の意味を込めて参拝を行いましょう。
本尊と対面し、お賽銭を入れます。
お賽銭には執着や欲を捨てて徳を積むという意味があります。
(読経してもらう場合は事務所の受付に用件とお布施の入った封筒を渡しましょう。)
両手を静かに合わせて祈願し、深くお辞儀をします。
最後に一礼して終わりです。
宗派によって異なりますので、もしわからない事があったらお寺の住職さんや受付に聞くと良いでしょう。
煙を浴びない宗派もある
常香炉が無く、煙を浴びないという宗派もあります。
煙を浴びなくてもお香の粉を頭の近くに掲げる「焼香」という儀式は様々な宗派に取り入れられております。
形は違いますが「煩悩を払う」「穢れを払う」という意味合いは同じです。
お寺で使われているお香の種類は!?
線香
お供えする際に使用します。
長さによって呼び名が変わります。
- 長香(ちょうこう)…その名の通り長い線香
- 大薫香(だいくんこう)…香りが強く長く続く線香
- 大天香(だいてんこう)…とても長く煙が天まで届くと言われている線香
メーカーによっても香りや長さは変わってきます。
抹香(まっこう)
法事やお葬式などで焼香をする際に使用するものです。
主にシキミという植物の葉や皮を粉にして作ったお香で、炭の上に置いて使用されます。
良い香りのする沈香(じんこう)や百檀(びゃくたん)を割って焼香に使用する場合もあります。
瓣香(べんこう)
線香が何連にも連なったような形をしており、燃やさなくても良い香りがします。
なので火を焚かずに木のままでお香として使用されます。
大きなイベントなどで使用され、通常ではあまり見かけません。
お寺の香りがするお香をご紹介!
お寺に行くとふんわりと木の香りがします。
それはお香や建築素材に百檀という木が使われているからです。
百檀を使ったお香を使用することでお寺にいるような神秘的な気持になります。
天然白檀 香雲 薫寿堂
- 内容量…100g(約250本)
- 値段…1,620円
- 燃焼時間…約20分
優しい甘めの白檀の香りです。煙が少ないのが特徴です。
線香には固めるために添加物が入っています。
安く粗悪なものだと煙で目や喉が痛くなってしまい、心を落ち着かせる効果が薄れていまいます。
安全なもの、天然のものを選ぶことをおすすめします。
白檀-大香木 精華堂
- 内容量…120g
- 値段…2,052円
- 燃焼時間…約30分
厳選された良質の白檀を使用した線香です。
植物原料100%なので、お寺の香りに近いと思います。
お部屋に香りが残るので長く楽しみたい方にもおすすめです。
実際にお寺で使用されている線香もおすすめです。
風韻伽羅 短寸
- 内容量…100本
- 値段…6,000円
- 燃焼時間…約30分
最高級の香りと言われる伽羅と似た香りがします。
やや値段が高いですが品質がよく、実際にお寺でも使用されています。
まとめ
<お寺でお香を浴びる意味>
- 煩悩や穢れを払って綺麗な状態にする
- 体臭を消す
心身共に綺麗にし、仏様と向き合うという「儀式」の意味合いを持ちます。
お寺によっては「頭が良くなる」「悪い場所が快方に向かう」などという意味もあります。
<お寺で使用されるお香の種類>
- 線香…棒状のお香。長さによって名前が変わります。沈香という素材から作られるものが主です。
- 抹香…焼香などに使用されるチップ状のもの。シキミや百檀が使用されています。
- 瓣香…木自体が良い香りのするもの。通常ではほとんど見ることはありません。
<お寺の香り>
お香や建築素材に使用される百檀という木の香りに近いと言われています。
お香と仏教には深い関わりがあります。
お通夜やお葬式などにお金を包む「御香典」という言葉。
これはお香を供える代わりにお布施を渡すという意味を持ちます。
昔は線香は貴重品でしたので、お香を焚いてもらう代わりにお金を渡していたのですね。
線香には鎮静効果があり、悲しみを和らげ、心を落ち着かせようとさせる効果があります。
アロマテラピーという言葉が無い時代からお寺の人は線香の効果を知り、使用してきたというのはすごいことだと思います。