線香に使用される香木として有名な沈香(じんこう)。

その中でも質の高いものを伽羅(きゃら)と呼びます。

伽羅はお香の中でも大変貴重な為とても高価です。

今回はそんな最高級で高価な伽羅の意味や香りの効果についてご紹介します。

お香の香木の種類伽羅とは!?どんな意味?

お香 伽羅 意味

伽羅の意味は「黒」

伽羅の歴史は古く、紀元前にはすでに古代インドで使用されていたと言われています。

文献にも残っており、古代インドの文学語であるサンスクリット語で「黒」を意味します。

すぐれた香りを持つものは黒色であるということからその名がつけられたと言われています。

伽羅は何故黒いのか

伽羅は元々はジンチョウゲ科ジンコウ属である沈香木と呼ばれる植物です。

沈香木が病害虫などによってダメージを負った際に回復させようと樹脂を分泌して乾燥させ、固まりコブとなります。

固まった部分はそのままだと無臭ですが、熱する事により香りを発するようになります。

やがてお香として利用されるようになり、削り取ったものを「沈香」、その中でも質の良いものを「伽羅」と呼ぶようになりました。

伽羅は高値で売れることから一時期乱獲され、現在はジンチョウゲ科ジンコウ属は希少品目第二種に指定されています。

現在では植樹された沈香樹に故意に傷をつけて人工的に樹脂化する「栽培沈香」と呼ばれる採取の仕方が主流となっています。

天然のものも存在しますが、とても貴重であり高価です。

伽羅の種類や作られ方

伽羅の種類には大きく分けて2種類あります。

1つは沈香木の表面が傷つき、それを修復しようと樹脂を分泌させて固めたコブ状のもの。

さらにそれを土の中に埋めて発酵させて伽羅を作ります。

もう1つは沈香木の樹が湿地帯に埋まり、数千年ほどかけて発酵したものです。

かつてはベトナムの湿地帯で発掘されました、戦争で地雷が埋められたため発掘が困難となり現在ではほとんど出回っておりません。

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伽羅の香りの効果とは!?

伽羅の香り

神様が創ったともいわれる香りで、「甘い」「辛い」「酸っぱい」「にがい」という人間が感じる全ての香りが詰まっていると言われます。

線香の材料となる樹から採取されるので、少し似ている部分があります。

喩えるのが難しいですが、線香の香りに樹脂の密の甘い香りとほろ苦さを足したような香りです。

鼻から全身にすっきりと爽やかな気持ちが巡ります。

鎮静効果

伽羅には神経系の活動を鎮静させ、イライラや興奮を抑制させる効果が期待できます。

落ち着いた空間で伽羅の香りを楽しむと気持ちが落ち着き、頭がすっきりとしてきます。

何かに集中したいとき、気持ちが落ち込んだり怒りで我を忘れそうになった時などにおすすめです。

赤ちゃんの夜泣きにも効果的だと言われています。

とはいえ伽羅はとても高価なものなので、効果よりも純粋に「香りを楽しむ」目的で使用される事の方が多いようです。

戦国武将も愛した伽羅の香り

沈香が日本で認識されたのは595年。

聖徳太子が存在していた時代です。

香木を燃料として燃やした所いい香りがしたため貴重なものとして認識されたのがきっかけだと言われています。

戦国時代には香りの道を究める「香道」が発生します。

武士たちは鎮静効果のある香木の香りをかいで精神を集中し、戦に出かけたと言われています。

香木は権力の象徴となり、戦国武将である織田信長や徳川家康は積極的に香木を集めたと言われています。

特に家康は伽羅の香りを愛し、朱印船貿易にて大量に買い付けたそうです。

家康が集めた香木や香道具は2600点にもおよび、現在でも一部のコレクションは博物館などに飾られています。

香道とは

香りの道を究め、香りに心を傾けて観賞をすることです。

こう書くと簡単そうに思えますが、実は中々奥が深いのです。

香木は貴重なものなので、1gにも満たない小さな香木をさらに小さく取り分けて、さらに焦がさないように焚かなければなりません。

火の温度なども香りに影響を及ぼすのでベストな状態を保たなければいけません。

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伽羅お香の値段はいくら!?

お香 伽羅 値段

伽羅は希少なものなので、古来より金と同じ価値があるとされていました。

主にベトナムで発掘されていましたが、戦争により発掘が困難になった為その希少性はより高まり、値段も高揚しています。

現在は1g数万円というびっくりするお値段がつけられています。

金の場合1gあたり4千円~5千円が相場なので、金や宝石よりもはるかに高価なものとなっています。

伽羅が購入できるサイト

流川香(りゅうせんこう)

最安値は0.42gの27,216円、最高値は1.9gの123,120円!

0.42gは折れた鉛筆の芯程度の大きさです。

しかしそのサイズでも70畳程度のお部屋を香りで満たす事ができるのですごいですよね。

伽羅は香炉という特殊な道具を使って香りを楽しみます。

火加減によっても香りが変わってくるので微妙な調整が必要になるので初心者にはとても扱えるものではありません。

香炉自体も高価なので、よほど興味が無い限り手軽に手を出せるものではありません。

伽羅を取り扱おうと思うのならば香道の体験や教室に通うことをおすすめします。

体験はお寺などで行っている場合もありますので、一度近くのイベントをチェックしてみてください。

>>流川香はこちら

風韻 伽羅

手軽に似た香りを楽しみたいという場合は線香がおすすめです。

こちらの線香は伽羅と似た香りを楽しむことができます。

しかし通常の線香と比べてお値段は高めとなります。

40本入り3,240円です。

>>風韻 伽羅はこちら

偽物に注意

伽羅は通販で購入することもできますが、偽物もあります。

必ず信頼できるサイトで購入するようにしましょう。

まとめ

  • 伽羅の意味

古代インドの文学語であるサンスクリット語で「黒」という意味を持ちます。

沈香木の中でも黒い物が香りが良いとのことからその名がつけられました。

  • 効果

鎮静作用が期待でき、鼻から全身に広がる爽やかな香りが心身ともにすっきりとさせてくれます。

戦国武将も大切な戦の前は鎮静作用のある沈香木を焚いて精神を統一したと言われています。

その中でも伽羅は貴重品とされ、徳川家康が好んでコレクションしていたようです。

  • 値段

伽羅の値段は1g数万円。

取り扱いのあるサイトでの最安値は0.42gの27,216円。

別途香炉も必要になるので手軽に入手できるものではありません。

火をつけるまでは無臭で、見た目はただの木の破片(石のようにも見えます)

けれどその価値は1g数万円という金や宝石よりもはるかに高価なお香、伽羅。

一度は香りを楽しんでみたいですね。

ちなみに香道ではお香のこをと「かぐ」ではなく「聞く」と言うそうです。

なんだかおしゃれですね。

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