日本の伝統文化である茶道。
茶道は、さまざまな道具を用いて行われるものです。
そのさまざまな道具の中に、香合(こうごう)という道具があります。
香合とは、お香を収納する蓋の付いた小さな容器のこと。
茶道で使用される香合には、どのような種類や道具があるのか。
今回は気になることについてまとめていきます。
茶道で使うお香の種類は何!?
茶道の道具の一つである香合。
大きさは手のひらサイズ。
中にお香を入れておくことができる蓋つきの容器となります。
香合は季節によって用いるものが異なります。
そのため、さまざまな種類があるのです。
まず、炉(11月~4月)の時期に使用する陶磁器の香合について紹介!!
陶磁器の香合は、形が見どころとなります。
- 丸型
- 角型
- 蜜柑型
- 六角形
- 鳥形
- 動物形
このようにユニークな形の香合があるのが陶磁器の香合の魅力です!!
季節に応じて、用意する人の好みでさまざまな香合を使用することができるのがいいですよね!
使用する方のセンスが問われますが。
そして、陶磁器の香合に入れられるお香は、練香という少し粘り気のあるお香です。
(練香とは粉末状の香木を蜂蜜などと練って固形状にしたお香のこと)
一粒入れて、香りを楽しみます。
炉は囲炉裏に似ています。
畳の一部分を切り取り、その部分に釜をかけるもの。
お客さんが少しでも暖を取れるよう、お客さんの近くに配置されるのが一般的です。
続いて、風炉(5月~10月)の時期に使用される漆器など木製の香合について紹介!!
漆器など木製の香合は形や塗り、そして蒔絵があれば蒔絵を楽しみましょう。
堆朱や鎌倉彫の容器は、絵が彫刻されているため人気が高いんだとか。
漆器など木製の香合に入れられるお香は、白檀や沈香を1cm四方程度に割り入れた香木です。
3枚ほど重ねて香合に入れるのが一般的となります。
風炉は風炉釜を畳の上に置きます。
この時期は夏の暑い時期です。
そのため、少しでもお客さんに暑さを感じさせることがないよう、お客さんから離れたところに配置されることが一般的となります。
このように香合といっても種類があります。
季節によって使用する香合が違ったり、それぞれに特徴があるので、茶道で香合を使用するという方は基本的なことですので頭に入れておくようにしましょう。
茶道で使うお香の道具とは?
茶道で使用するお香・香合の道具についてここでは紹介していきます。
- 香盆(こうぼん)
香盆の上に香合を置くのが一般的です。
- 重香合(じゅうこうごう)
三段になっている香合です。
一番上の段に香包み、上から二段目に銀葉、一番下は香の燃え残りを入れます。
- 聞香炉(きぎこうろ)
手にとってお香の臭いを嗅ぐための道具。
小型で煙返しをつけない重口の香炉のこと。
- 香箸(こうばし・きょうじ)
香箸は、桑の木でできたものがほとんど。
- 銀葉鋏(ぎんようはさみ)
ピンセットのようなもの。
銀用鋏は、銀葉をつかむときに使用される道具。
- 羽箒(はねぼうき・はぼうき)
香炉の隅の灰をきれいにするために使用される道具。
- 灰押さえ(はおおさえ)
香炉の灰を山型にするために使用する道具。
- 香匙(こうさじ)
香をのせるために使用する道具。
このような道具が必要となります。
しかし、全て使用することはありません。
実際にお香を焚てるときに使用することとなる道具は、
- 香盆
- 重香合
- 銀葉鋏
こちらが用意できればお香を焚てることができると言えるでしょう。
このように道具を使用して焚かれる茶道の場でのお香ですが、近年、薄茶席ではこのような道具を用いてお香を焚てるということはありません。
床の間に掛け軸、お花、そして香合が飾られることが多いんだとか。
掛け軸・お花・香合が3つ揃って置かれている形式のことは、諸荘(もろかざり)と言われています。
この場合の置き方ですが、台所に近いところにお花を置きます。
そして掛け軸を間に挟み、お花と反対の位置に香合を置くようにして下さい。
和のお香のおすすめはどの種類!?
茶道でお香を焚てるのであれば、和の香りが良いでしょう。
茶道は和のものなのに、香りが洋だとアンバランスですもんね。
ここでは、和のお香のおすすめの種類について紹介していきます。
- 伽羅(きゃら)
サンスクリット語で「黒」という意味をもつ。
沈水香の一種であり、ベトナムのごく一部でしか産出されない最高峰の香木。
薬材として鎮静効果に優れている。
- 白檀(びゃくだん)
インド、東南アジア、太平洋の島々に生息している香木。
お香で使用されることが多く、高貴で清涼な香り、そして妖艶な香りを楽しむこともできる。
雑念を取り払う効果があると言われ、集中力を高める効果もある。
瞑想を行うときに持って来いと言われ、潜在意識に繋がることが可能となります。
さらに白檀には空間を浄化する働きがあるとも言われています。
伽羅と白檀の香木を使用し、茶道でお香を焚くことが多いようです!
練香で使用されるもの
- 梅が香(うめがか)
梅の香りがする練香。
- 坐雲(ざうん)
甘い香りがする練香。
- 黒方(くろぼう)
ツンとした感じの特徴的な香りがする練香。
これは一部です。
茶道の場で使用するのに適した練香は他にもたくさんのものがあります。
京都で有名なお香を取り扱うお店を紹介
- 香老舗 松栄堂 京都本店
お香を多く取りそろえるお店。
なんと創業300年!!
広い店内でゆっくり買い物を楽しむことができます。
- 鳩居堂京都本店
こちらはなんと900年!!
こちらはお香の取り扱いはもちろん、書画用品、はがき、便箋、金封なども一緒に販売されています。
そのため同じお香のお店でもさっき紹介したお店とは雰囲気が異なります。
どちらのお店も長い歴史があり、多くの人に利用されてきました。
京都に観光で行く際には、ぜひ訪れてみて下さい。
お土産にぴったりな商品も数多く取り揃えていますよ!
まとめ
いかがでしたか!?
今回は茶道で使用されるお香について注目していきました!!
私たちが普段焚いているお香とは異なり、茶道ではさまざまな道具を用いてお香を焚てるということを知ることができましたね。
お香のことを知ることで、また一つお香のことを好きになったのではないでしょうか。
さまざまな用途で使用されるお香。
今後もぜひお香について学び、より深く知っていきましょう。