お香を焚くと目や喉が痛くなった経験はありませんか?
それはお香に含まれる成分が人体に影響を及ぼしているからかもしれません。
浄化作用やアロマテラピー、リラックス効果など良い効果に目を向けがちですがそのお香、本当に安全ですか?
今回はお香に含まれる成分や体への害、安全なお香の選び方などをご紹介します。
目次
お香の煙の成分とは!?
煙の成分は主に炭素です。
その他に二酸化炭素や酸素、水やヤニなどが含まれています。
煤(すす)
お香が不完全燃焼を起こした時に発生する黒い微粒子のことです。
簡単にいうと燃えて焦げた黒いカス状の物体で、炭素に含まれます。
煤はほこりと一緒に舞い上がり、天井などについてくっついて固まります。
ヤニ
植物性の樹脂を燃やした際に発生する粘液です。
樹脂成分、香気成分、煙がたくさんでるお香はヤニが多い傾向にあるようです。
ヤニはベタベタとしており、一度附着すると中々落とす事ができません。
換気のされていない部屋でお香を焚き続けると壁やカーテンが茶色く変色してしまいます。
煤やヤニは附着すると変色を起こします。
ヤニ汚れの代表であるタバコほどではありませんが、使い続けていると確実に茶色や黄色、黒色などのこびりつき汚れが発生します。
汚れたお部屋ではお香の持つ浄化効果を感じにくくなってしまいます。
防止対策としては「換気を行うこと」!
より長く香りを楽しもうと密閉した部屋でお香を焚くのは、火を使うという事もあり危険です。
空気の流れがある場所ではヤニや煤は附着し辛く、外へと排出されます。
お香を焚いている間は出入り口を、焚き終わったら窓を開けて換気を行いましょう。
お香の煙って体に害はあるの!?
お香の煙に含まれる有害成分
東京都健康安全センターが杉線香と匂い線香を使用してお香の煙に含まれる有害成分の研究を行いました。
その結果、お香の煙には有害成分であるベンゼンが含まれているのが分かりました。
ベンゼンとは自動車の排気ガスやタバコの副流煙に多く含まれる発がん性のある成分です。
広さ6畳の部屋で線香を使用する想定をした実験では1時間で喫煙室と同じ濃度のベンゼンが放出されたようです。
他の研究では線香の煙にDNAなどの遺伝物質に突然変異を起こしやすいという可能性を示す結果が出たと言われています。
また、煙に含まれる化合物の研究もおこなわれています。
研究にて使用されたお香からは64種類もの化合物が検出されたそうです。
その中には非常に有害な物質も含まれていたと言われています。
使用しているお香にもよりますが、スティックタイプやコーンタイプには必ず固めるための添加物が入っています。
添加物の他にも腐らないための防腐剤や、見た目を鮮やかにするための着色料など「人工的なもの」が含まれています。
それらを燃やして燃焼させることにより人体に有害な成分が発生する可能性があります。
人体に害を及ぼす例としては、
- 目、鼻、喉などの粘膜への刺激(目や喉の痛み、咳など)
- 皮膚への刺激(肌荒れなど)
- 喘息
- 頭痛
- 心血管疾患の悪化
- 肺の細胞の構造変化(肺がんなど)
人体だけでなく、含まれる化合物によって空気の汚染なども問題となっています。
お香は危険!使わないようにしよう!というわけではありません。
「燃やす」という行為だけでも人体に少なからず影響を与えるものです。
全てを避けていたらお香どころか料理すらできなくなってしまいます。
お香は正しく使用すれば、健康に害を及ぼす可能性は少なくなります。
正しい使用法は「換気を行う」「一度に大量に焚かない」「長時間焚き続けない」の3つです。
最近ではメーカー側も人体に影響の少ないものを開発しています。
信頼できるメーカーのものは原材料が記載されている事が多いようです。
購入前に箱をよくチェックしてみましょう。
例えば「薫寿堂 天然白檀 香雲」というお線香。
原材料は椰子殻炭、椨皮粉、百檀、百檀オイル、天然消臭剤となっています。
天然消臭剤の成分も詳しく記載してほしい所ですが、中々そこまで書いてくれるメーカーはあまり存在しません。
極端に安いものには添加物や人工香料が多く含まれています。
健康を考えるのならば信頼できるメーカーのものを選びましょう。
お香の煙は子供に影響はある!?炊いても大丈夫なの!?
換気をよくした状態で、1日1本程度でしたらお香を焚いても子供に影響は無いようです。
しかし、添加物が多く含まれているお香を使用すると気管支炎や喘息などを引き起こす可能性があります。
原材料をチェックし、信頼できるお香を使用してください。
子供がいる部屋でお香を焚く時の注意点
換気をよく行う
煙がこもりすぎないように窓は少し開けておきましょう。
火傷や火事に注意をする
火を使うものなので、焚いている途中に子供が触らないように注意しましょう。
焚いている最中に子供が触って倒してしまったら周りに燃え広がる可能性があります。
お香や子供から目を離さないようにしましょう。
子供がお香を口に入れてしまったら
慌てて近寄るとびっくりしてそのまま飲み込む可能性があります。
コーンタイプは喉に詰まる可能性があるので、おちついてゆっくりと声をかけ吐き出させてください。
吐かせたあとは口をゆすぎ(できない子は水をふくませてから口を開かせて水を捨てるを数回)、様子をみます。
気分が悪くなったり、異変があるようでしたら必ず病院に連れていきましょう。
お香は少量ならば口にしても人体に影響を及ぼすものではないと言われています。
しかし心配のようなら病院に連れていきましょう。
焚き終わった後も燃え残りに子供が触れないよう、すぐに片づける必要があります。
目が離せない為、リラックス目的で使用する場合は逆にストレスになる可能性があります。
個人的な意見ですがある程度子供が言う事を聞くようになるまではお香は控えた方が良いかもしれません。
まとめ
<お香の煙に含まれる有害成分>
- 煤やヤニなどの部屋を変色させる成分
- ベンゼンなどの発がん性物質
- その他添加物などによる有害物質
<人体に与える影響>
- 目、鼻、喉などの粘膜への刺激(目や喉の痛み、咳など)
- 皮膚への刺激(肌荒れなど)
- 喘息、気管支炎
- 頭痛
- 心血管疾患の悪化
- 肺の細胞の構造変化(肺がんなど)など
<安全な選び方、使い方>
- 原材料がきちんと掲載されているものを選びましょう。
- 極端に安いものは購入しないようにしましょう。
- 使用中も部屋のドアを空けておくなどして換気を行いましょう(密室で使用しない)
- 焚き終わった後は窓を開けて換気をおこないましょう。
- 一度に大量に焚いたり、長時間焚き続けたりしないようにしましょう。
好きな香りで健康を損なうのは避けたいものですよね。
お香は正しく適量に使用すれば健康に被害を及ぼす可能性は少なくなります。
原材料もチェックして安心できる香りを楽しんでください。